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by chekosan

カテゴリ:博物館、資料館( 2 )

広島県福山市にあるホロコースト記念館に行ってきました。杉原千畝コーナーが常設展示されることになり、外務省の外交史料館の白石仁章氏による杉原千畝に関する講演会が開かれるというので、その日に合わせて行きました。

建物の外観はホームページで見ていましたが、周辺の様子はわからなかったので、現地に行って軽く驚きました。普通の民家のある集落の中にいきなり建っているのです。なんとなく勝手に山の中にあるのかと思っていました。

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2時開始の講演会にちょうどいいくらいに着いたら、すでにたくさんの人が来られていました。便利とは言い難いところにあるにもかかわらず、駐車台数がかなり少ないこと、日傘を差して徒歩で来られた方をたくさん見かけたことなどから、近くにお住いの方が大半だったのではないかと推察しました。

受付を済ませたあと、記念館が発行している冊子を購入しました。この受付や会計や会場設営なども土地の方がボランティアでされているような雰囲気でした。地域の方に支えてられている施設と拝察しました。


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行った先のオリジナル資料は、その場で買っておくのが肝要。後ではなかなか手に入らなかったり手間だったりします。オリジナルでなくても、あまり出回ってなさそうなものはゲットすべし! ということで、帰りの荷物はずっしり重くなりました。


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◇◇◇

講演に先立って、3人の女性が紹介されました。杉原千畝の発給したビザで欧州を脱出できた女性のお子さんとお孫さん2人です。今は亡きおばあ様の足跡をたどる旅をされていて、おばあ様のことが紹介されているこの記念館をちょうど訪ねられていたのです。

ああ本当に杉原ビザで助かった人がいて、そのおかげで目の前のこの方たちは存在するのだなあ、一人の命を救うことはその人だけではなく何人何十人もの人を救うことになるというのは本当だなぁと実感しました。

◇◇◇

この記念館は学習施設という性格を前面に出しているので、講演会も小中高生にもわかるようにゆっくりゆっくり話されました。内容的には白石さんの著作のエッセンスを初学者にもわかるよう噛み砕いた感じでした。質疑応答も、館の方が子どもさんからと強調され、ホロコーストについて勉強してきたという中学生グループの生徒さんたちが指名され、がんばって感想や質問を言っていました。

最後に一人だけ一般の参加者からの質問を受け付られました。その質疑応答によって、白石さんの著作を読んでいて聞いてみたいと思った真意や本音が聞けたのは収穫でした。

◇◇◇

講演後、常設展示を見て回りました。ホロコーストの概要がわかる展示、アンネ・フランクのコーナー、杉原千畝のコーナーがあります。模型やジオラマでわかりやすく展示してありますし、当時の貴重な現物も見ることができました。規模は小さいですが、いい展示だと思いました。

特に、アンネのオランダの隠れ家の模型やアウシュヴィッツ強制収容所のジオラマは、こういう構造、こういう並びだったのか!と、たいへんよくわかりました。

撮影禁止だったのは残念ですが、公式HPやメディアの記事などで見ることができますし、館のオリジナルの冊子にも掲載されていますので、後日確認するときには、そちらを見ることにしましょう。

下の写真は千畝が発給したビザに押したカウナスの日本領事館の公印を模したスタンプです。こちらは自由に押すことができますよ!


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屋外には、「アンネのバラ園」がありました。普通のお家のお庭くらいの面積ですが、リトアニア共和国の外務大臣などの著名な方が植樹された(?)バラが植わっています。



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アンネが隠れ家から見ていたというマロニエの木も。


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規模としては少し大きめのお家くらいなのですが、明るく開放的なつくりで、展示もとても見やすいです。なにより地元の方々が気軽に足を運ばれている様子だったこと、みなさんで運営を支えておられる雰囲気だったのが良いなあと思いました。館内外とも、気を配り、手をかけている生きた施設だと思いました。遠方からはなかなか行きづらいかもしれませんが、広島と合わせて平和学習ツアーとして訪問されてはいかがでしょうか。入館無料です。







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by chekosan | 2017-07-30 23:59 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)


晴天のゴールデンウイーク最終日、滋賀県東近江市にある滋賀県平和祈念館の企画展示、
『シベリア抑留 -ユネスコ世界記憶遺産 舞鶴引揚記念館所蔵品より-』を見てきました。



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こちら開館5年になるのですが、訪れるのは初めてです。
面白そうな講座や企画展示、映画上映をしているので、
ずっと気になっていたのですが、車でないと行きづらい場所なのです。
今回、訪問予定があった夫の車に便乗して、ようやく行くことができました。



まずは、滋賀にちなんだ展示。
戦時中、ありとあらゆる金属、それこそ鍋釜、釣鐘、戸車まで供出したころ、
手りゅう弾や地雷、フォークやナイフまで陶器で作ったそうです。

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地雷と言えば、つい先日、捕虜となったドイツ少年兵が、
北欧の海岸の地雷撤去にあたったという史実を基にした映画「ヒトラーの忘れもの」を観ました。
感想はこちら→ http://chekosan.exblog.jp/26806817/
地雷にもいくつか種類があるようですが、そのとき一番出てきた地雷が同じ形でした。


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シベリア抑留に関する企画展示をしていることは知らずに行ったのですが、
これもまたとても興味深いものでした。



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捕虜なので紙や書くものは持つことができないのですが、
セメント袋や落ちている紙、たばこの巻紙などをそっと集め、
短歌や料理の記録、日記などを綴ったものが展示されていました。
小さな小さな紙に、ていねいな字でぎっしり綴られています。

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抑留生活の様子を絵に描かれた方もおられました。
なかには、ソ連から描くようにと画材を渡された方もいらしたそうです。


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当時、実際に着用していた防寒着や、
唯一持って帰ることのできた飯盒や食器なども展示してありました。

証言の聞き書きも語られた言葉そのままでパネル展示してありました。
この証言が実に生々しくて、一つ一つじっくり読んでしまいました。

アウシュヴィッツ強制収容所関連の本を何冊か読みましたが、
食料や物資がまったく足りない状況で、なんとか工夫して物を作り出したり、
没収、懲罰の危険があっても記録をとろうとしたりしたことは共通していると思いました。


今回の展示物は、舞鶴の引揚記念館の所蔵品から、
滋賀県出身者のものを集めて展示したようでした。
図録のようなものはなかったのですが、舞鶴には詳しい資料があるのでしょうか。
一度、舞鶴にも行ってみたいと思いました。






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by chekosan | 2017-05-07 17:52 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)