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by chekosan

カテゴリ:本、書評、映画( 54 )


有名な作品であることは知っていましたが、観たことがなかった「ショーシャンクの空に」。お友達から、モーガン・フリーマンが出ていること、刑務所の図書館の話が出てくることを教えてもらって、いつかは観たいなと思っていました。先日、リトアニア旅行からの帰りに観ることができました。


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妻とその愛人殺しの冤罪でショーシャンク刑務所に入れられた元銀行家の男性が主人公。自由な暮らしを取り戻すべく、決して希望を捨てずに、粘り強く刑務所の暮らしを多少なりとも改善していこうとします。

インテリで税の知識や資金運用力があることを買われ、特別な引き立てで図書館係になった主人公は、議会に毎週手紙を書き、6年かけて、ついに図書館の経費を獲得します。仲間たちと空間を整え、受刑者たちの高校卒業資格取得の世話もするようになります。

広くきれいになった図書館で、本やレコードを楽しみ、資格のために勉強する受刑者たちの様子が描かれる場面はとても明るく生き生きしています。

◇◇◇

刑務所の図書館といえば、もうだいぶ前に読んだ『刑務所図書館の人びと』も面白かったです。ハーヴァード大学を出て、ユダヤ教のラビになることを期待されていた秀才が、その道を進まず、刑務所図書館の職員になるという話です。実話なのか創作なのか、よくわからない不思議な雰囲気のある話です。




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アヴィ・スタインバーグ『刑務所図書館の人びと』(柏書房 2011年)

◇◇◇

日本でも、刑務所で本を読むことは権利として保障されています。昔の政治犯、思想犯が刑務所で読書に勤しみ、新しい言語を習得したというような逸話を何かで読んだ記憶があります。

ところが、戦時中のドイツやソ連の管理していた強制収容所では、読書や書き物は禁止されていて、数冊の本を命がけで隠し持ったという逸話があります。本を読むこと、学ぶことはそれだけ人の精神活動に重要であるいうことですね。

イトゥルベ『アウシュヴィッツの図書係』(集英社 2016)
感想はこちら http://chekosan.exblog.jp/26705653/


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今回のリトアニアでの旅では、ユダヤ人追放、虐殺の歴史について学べる施設にいくつか行きました。リトアニアでも、たいへんな数、割合のユダヤ人が迫害を受け、殺されています。そのような時期でも、ユダヤ人コミュニティは、なんとか文化・スポーツ活動、教育活動を維持しようとしていたという説明があり、強く興味を持ちました。詳しく調べてみたいと思います。










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by chekosan | 2017-08-13 16:06 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
リトアニアに向かう機内で観た映画2本目。「ユダヤ人を救った動物園」という日本語題で原作が出ているようです。実話を基にした映画です。

ナチスドイツの侵攻で多大な被害を受け、閉鎖に追い込まれたポーランドのワルシャワの動物園が豚農場に転換して、それを隠れ蓑にユダヤ人300人を匿い、2人を除いて全員を救ったというお話です。

ユダヤ人を匿えば、何人であろうと匿った人まで捕まる時代に、ゲットーから人々を連れ出して数日から数年にわたって匿い、世話をするというのは誰にでもできることではありません。たいへんな勇気と知恵と行動力です。

流れもわかりやすく、しっかり泣ける映画です。ただ、ドイツに占領されたポーランドの話なのに、セリフが英語なのが残念。あまりポーランドっぽく感じませんでした。

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by chekosan | 2017-08-04 02:36 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
ただいまリトアニア🇱🇹に来ています。行きの機中で、映画を2本観ました。1本目が、シュテファン・ツヴァイクの晩年を描いたもの、2本目はナチスドイツに侵攻されたポーランドの動物園でユダヤ人をかくまった実話に基づく話。どちらも最近の一番の関心事。私のためのラインナップかと興奮しました。

なのですが、1本目のツヴァイクの映画は、欧州を追われてブラジルへと逃れたツヴァイクが、文学と政治と人間関係に悩む?というような話。

セリフが重要な映画なのですが、英語の字幕はあったものの、いろんな言語が飛び交うためなんだか混乱(^_^;)

突然、場面が変わって、これ誰?と思ってるうちにまた場面が変わり、機長のアナウンスやら機内サービスやらでしょっちゅう停止するし。

そのうち寝てしまって、隣の10歳息子に一時停止してもらってたような有様なのでした。

というわけで、評価できないのですが、当時ツヴァイクがブラジル🇧🇷でたいへん人気で、会えるなんて超感激〜⭐︎という歓迎を受けていた様子はわかりました。主役も写真で見るツヴァイクとよく似ています。

覚醒している時にまた観れる機会があれば観ようと思います(^_^;)

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by chekosan | 2017-08-03 06:55 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
いやなかなか硬派で、密度の濃い作品です。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエヴォの「ホテル・ヨーロッパ」を舞台としたお話です。

第一次世界大戦勃発のきっかけとなった「サラエヴォ事件」から100年の記念式典が開かれるまさにその日、ホテル・ヨーロッパの従業員たちはストライキを計画します。冬季オリンピックのときにつくられ、多くの著名人をもてなしてきた格式高いホテルなのですが、実は2か月も従業員に給料を払えていないのです。

支配人は、EUからのVIPが多数揃う重要な催しを成功させ、その支払いで銀行への返済をはかりたい。2日待ってくれれば給料を払うからとストライキをやめさせようとします。従業員たちは、内外の注目が集まるその日にこそストライキに打って出て給料を支払わせたい。フロントの若き有能な女性スタッフは両者の板挟みになります。

屋上では、サラエヴォ事件100年特別番組の収録中。女性ジャーナリストが識者にインタビューをしています。3人目のインタビューの相手は、サラエヴォ事件の犯人とまったく同じ名前の男性です。何やら不穏な雰囲気。何者かよくわかりません。歴史認識をめぐって、ジャーナリストと激論になります。

ホテルのVIPルームにチェックインしたフランス人は、部屋にこもって、サラエヴォ事件やユーゴスラヴィア内戦を防げなかった欧州の責任を追及する演説の練習を続けます。

この大きく3つの話が同時進行していきます。フランス人VIPがホテルにチェックインしてから85分間の出来事を85分の映画にしたという形になっています。3つの話が一つになるときがクライマックスです。


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屋上でのインタビュー部分が長くてつまらないという感想も見ましたが、私はここが面白かったです。ボスニア・ヘルツェゴヴィナの過去と、いまも続く民族間の対立の根の深さ、深刻さの一端を知ることができる面白い構造になっていると思いました。

またフランス人VIPの演説は、実際のサラエヴォ事件100年の日に上演された一人芝居「ホテル・ヨーロッパ」を再現したものであるとのこと。この戯曲を原案として本作は作られたそうですが、もともとのお芝居も見てみたいと思いました。

スリルとサスペンスな要素も盛り込みつつ、こういう社会派な作品を作れる監督がいるのだなあ~、と思ったら、気になっていた「鉄くず拾いの物語」や「汚れたミルク あるセールスマンの告発」を撮った監督さんでした。どっちも観れてないのですが。

フランス人VIP役のフランス人俳優以外は、地元ボスニア・ヘルツェゴヴィナの俳優たちで、国際的には著名というわけではないそうですが、とても良かったように思います。

フランス人の場面以外はセルビア・クロアチア語です。この言葉もスラブ語の仲間なので、ほかのスラブ語と語彙や構文(というのか)が似ています。字幕があるからですが、うっすらとわかって嬉しかったです。そして、やっぱりスラブ系の言葉って、なんか音がかわいいです♡


 


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by chekosan | 2017-07-15 23:16 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
ドイツで戦後すぐに書かれたハンス・ファラダの小説『ベルリンに一人死す』を映画化したものです。独・仏・英合作の映画です。

舞台は1940年のベルリン、棺桶を作る木工所の職工長の夫とその妻の一人息子が戦死するところから始まります。夫婦は、息子を奪われた悲しみと憤りから、絵葉書に体制批判、ヒトラー批判を書き、街角に置いて回ります。ささやかな、しかし見つかれば死刑は確実という危険な行為です。そうして2-3年もかけて、ゲリラ的に置いて回った葉書計285枚のほとんどは、見つけた市民によってすぐさま警察に届けられ、夫婦の命を賭した運動は広がりを見せることはありませんでした。


原作はかなり大部の著作で、主人公夫婦以外の人物もていねいに描き出しているそうですが、この映画では、周囲の人々については描き切れていません。主人公たちの夫婦愛とゆるがない意思の尊さに焦点が当てられています。全体的にさらっと話が進んでいって、若干盛り上がりや余韻には欠けます。ドイツが舞台なのに、英語なのもちょっと残念… が、主演俳優二人の演技がとても良いし、映像として全体的にきれいで雰囲気があるので、これはこれでいいかという感じです。

ただ、実話をもとにした話ということなので、体制賛美一色と思われがちなナチスドイツ時代にも、命がけで体制を批判する名もなき市民がいたということを語り継ぐという点で、意義深い映画であると思います。



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by chekosan | 2017-07-12 22:16 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
兵庫県立美術館で開催された短編ドキュメンタリー映画の上映会と、梶岡潤一監督による講演会に行ってきました。映画は25分。第二次世界大戦時、杉原千畝氏が発給した通過ビザでヨーロッパから逃れたユダヤの人々のその後を調査しているフリーライター北出明さんに密着したドキュメンタリーです。

監督はもともと俳優をされている方で、お話がとてもお上手。兵庫県出身ということで、テンポのいい関西弁で、和やかで楽しい講演会でした。

写真撮影、拡散歓迎とのことでしたので、遠慮なく撮らせていただきました。監督のパワーポイントのスライドがとてもわかりやすく勉強になるので、撮影可だったのはとてもありがたいです。

このあと、日本人とユダヤ人の交流を描く長編映画を作りたいとのことで、クラウドファンディングによる資金集めも計画されているそうです。そんなわけで、応援の意味も込めて、講演会の様子をアップさせていただきます☆



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by chekosan | 2017-07-09 21:23 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)

7月は毎週、京都シネマに行かないと!

アイヒマンの後継者



サラエヴォの銃声



残像 →アンジェイ・ワイダ監督遺作



ヒトラーへの285枚の葉書 → 観ました。感想はこちらに









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by chekosan | 2017-06-27 22:17 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
唐沢寿明、小雪主演「杉原千畝」をDVDで観ました。これで杉原千畝氏を取り上げた映像作品3本目です。

うーーん。この映画は好評だったのでしょうか。ノベライズされた小説を先に読んだときに予感はしていたのですが、うーーん。。。という感じです。

唐沢寿明は、いい俳優だと思います。テレビドラマの「白い巨塔」なんて、とても良かったと思います。知的な人だし、見た目的にも割とイメージに合っていると思っていました。が、、、この映画、セリフが全編英語なのです(ポーランド人だけの場面はポーランド語、日本人だけの場面は日本語ですが)。そのために、唐沢君の演技がヘタに思えるのです。

千畝夫人・幸子役の小雪も、ただ千畝に寄り添うだけのおとなしい奥さんというキャラクターになってしまっていて、実在なのかわからないロシア人女性スパイの方が存在感があるという事態に。あと、細かいことですが、あの時代で着物にイヤリングしているのも気になります。外国にいるときはアリだったのでしょうか? 

この作品は、加藤剛版ドラマ反町隆史版ドラマとの差別化を図ったのか、ユダヤ難民に通過ビザを大量発給するエピソードの部分がかなりあっさりしています。監督によれば、単なるお涙頂戴にしたくなかったということですが、狙い通り(?)盛り上がりに欠けるものとなっています。というか、とりあえず全体的にテンポが悪いです。

杉原ビザを持ったユダヤ難民が極東ウラジオストクまでたどり着いたものの、日本は入国を許可しない、さあどうするという後日談を挿入した点は過去のドラマと違う部分なのですが、これも残念なことに中途半端です。どうせならもっとしっかり描くか、まったくない方がいいように思いました。

この作品に関して、史実と異なる部分をかなり細かく指摘する論文もあります。が、それ以前に、狙いやテーマがよくわからない映画になっているように思いました。

良いところは、、、絵というか画質はさすがに過去のドラマよりはずっといいです。ただ室内のセットはちゃちいです。これも残念な感じです。映画なのに。あれ? フォローになっていない?


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これで3本の映像作品を観ました。一番古い加藤剛主演のドラマは、幸子夫人の著作の構成に忠実なドキュメンタリードラマという感じ、反町隆史主演のドラマは主題をしぼった、わかりやすくお涙頂戴な物語、唐沢寿明主演の映画は前2作と違うものをと意気込んでいろいろ盛り込もうとした結果、いろいろ薄まってしまったという感じでしょうか。どれを勧めるかと言われると難しいです。どれも一長一短ありです。いずれにしても、脚色や演出、創作した部分はあるものとして観る必要はあると思います。





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by chekosan | 2017-06-17 22:24 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
映画「グランド・ブダペスト・ホテル」をDVDで観ました。

劇場公開時はポスターを見て、オシャレなドタバタ喜劇なのかなと思い、
見逃してもさほど気にしていなかったのですが、
町山智浩さんの『映画と本の意外な関係!』を読んだところ、
この映画、オーストリアの作家ツヴァイクの作品にインスパイアされたものとわかりました。
こちらに書評掲載しています。

ツヴァイクは世紀転換期のウィーンで活躍したユダヤ人作家です。
平和主義者でユダヤ人ゆえ、ナチスドイツによるオーストリア併合後、著作は焚書となります。
そして亡命先のブラジルで服毒自殺をします。

いったいツヴァイクがどう絡むのかと、いてもたってもいられなくなって、
町山さんの本を読んで、すぐにディスクを取り寄せました。

そして見てみると、実に面白い!

ミステリーコメディで、セットや衣装や色彩、撮り方がとてもオシャレです。
お話の構造も何層かになっていて、実際の歴史をうまく盛り込んであります。

笑いながら楽しんだ最後の最後に、
「ツヴァイクの作品にインスパイアされた」という文言が黒い画面に大きく出ます。

それによって、この楽しくてオシャレな映画が、
一気に重層的になるというか、厚みを増すように思いました。

ツヴァイクのことや歴史的経緯を知らなくても楽しめるのですが、
この最後のフレーズに「なになに?」と思って少し調べた人は、
さらにこの作品を深く理解できるのではないかと思います。

わたくし、すぐさま3千部限定の豪華本を定価以上の値で買い求めました。
『ウェス・アンダーソンの世界 グランド・ブダペスト・ホテル』。

この本、高価でしたが、それだけの値打ちがありました。
監督や主演俳優やスタッフへのインタビューその他、たっぷり解説が読めます。
イラストや写真も豊富。オールカラーです。

さらに、ツヴァイクの回想録『昨日の世界』も読み、
これは第一次~第二次世界大戦の中欧を知るとっかかりに非常に良いと思い、
同志社の「ロシア・東欧地域研究」でも取り上げました。

けっこう手をかけて準備したのですが、面白さが伝わっているといいなぁ。
今夜にでもDVDを借りに行きます!と感想もあったので大丈夫かな?

ロケ地となったドイツの町ゲルリッツも、実はなかなか面白い町なのです。
第二次世界大戦後、ドイツーポーランド国境の画定で、
それまで一つの町だったのがオーデル川で2つの国に分断されてしまった町なのです。

冷戦終結後、2つの町の交流や協力関係を進める取り組みがなされています。
古い町並みも残っていますし、ホテルの内部を撮るのに使った古い建物も
この秋にリニューアルオープンするとか?

映画のホテルやホテルのある町のモデルとされるチェコのカルロヴィ・ヴァリの
グランドホテル・プップとともに、今年度中くらいに行こうかなと思っています。
カルロヴィ・ヴァリ、昔行ったのですが、プップの内部には入っていないんです。

アンダーソン監督が特に参考にしたツヴァイクの回想録『昨日の世界』については別途。

ところで、映画のクライマックスは映画「薔薇の名前」を連想しました。
それは写真のでっかい本には特に書いていなかったのですが。
久しぶりに観たいな。

また、ヒッチコックの「引き裂かれたカーテン」からの引用シーンもあるそうです。
冷戦期の東西ドイツのスパイものだそう。
ということで、そちらもDVDを買いました。^^

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by chekosan | 2017-04-24 13:31 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
この映画、原題は “Land of Mine”(地雷の国)ですが、それでは人を呼べないんでしょうね。
「ヒトラーの忘れもの」という邦題は、ちょっと意訳過ぎるかなと思いますが、
その方が時代やテーマを容易に想像させ、なんだろう観に行こうかなと思う人は多いかもしれません。

この作品の舞台はデンマークです。

デンマークはドイツと戦ったわけではないのですが、5年に渡って事実上占領されました。
イギリス率いる連合軍が解放したあと、デンマークに残されたドイツ兵捕虜が、
ドイツが海岸に埋めた200万ともいわれる地雷を撤去する任務に充てられます。
ところがこれが年端も行かない少年兵たちなのです。

統率するのがデンマークの鬼軍曹。
この人、はじめのうちはそれはそれは怖くて厳しい人なのですが、
自分の子どもくらいの年齢の少年たちが、食べ物もなく、体調不良にフラフラになり、
それでも故郷に帰るため文字通り命がけで任務にあたる様子を見て、
だんだんとほだされていきます。しかし…  


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    ↑
がっちりした軍曹と、あどけなさの残る少年兵たち。どう見ても子ども。ひょろひょろです。

戦争も末期になってくるとドイツは15歳くらいから兵士として採用するようになっていたのです。
それもお国のために、総統のためにと志願する男の子が多かったのですね。

パウゼバングの小説『片手の郵便配達人』にもそうした記述があります。
みすみす命を落とすくらいならと、祖父や母が阻止しようとするシーンもあります。

この映画の少年兵たちもそうして志願してきたのでしょうか。
「お前たちは兵士か!?」「はい!軍曹!」「では兵士らしくしろ!」と怒鳴られます。

兵士らしく任務を全うして故郷に帰り、瓦礫だらけのドイツの復興のため働くことを夢見て、
なんとか数か月を耐えようとするのですが、
砂浜を匍匐前進して手で掘って地雷を除去するという作業は危険が伴います。
どんどん仲間が減っていきます。

こんな非効率的な危険な作業を未来を担う子どもが命を落としてあたっていたとは。

いや、そもそも何万何百万という地雷を埋めなければ、こんなことは起こりえなかったわけです。

地雷を製造し、埋めて、それを撤去するなどという不毛なことに費やした資源と人命とエネルギーを
もっと生産的なことに向けていればと思わざるを得ません。
もちろん地雷だけでなく、すべての殺傷手段についてもそうです。
せめて同じ過ちを繰り返さないよう、史実を明らかにし、歴史に学ばなくてはいけないと思います。

なお、この捕虜による地雷撤去の事実も長らく公にはならず、
1998年になって、『強制の下で』という本が出版されて、ようやく白日の下に晒されたそうです。

2012年にはデンマークは地雷撤去完了を宣言したそうですが、
その翌年には未処理の地雷が発見されたそうです。












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by chekosan | 2017-04-22 15:42 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)