映画「この世界の片隅に」を観ました。
2017年 09月 10日
クラウドファンディングに参加されているSNSのお友達がいらしたので、その頃からほぉ??と見てはいたのですが、あの甘い絵柄にあまり食指が動かず。そのうちずいぶん話題になって、そうなるとまた観る気が失せておりました。あまのじゃくです。
機内の音がうるさく、しょっちゅう機内アナウンスやら食事のサーブやらで途切れ、冒頭しばらく話がつかめなかったのですが、主人公のすずさんが呉のお家にお嫁に行くあたりからは、ほぼちゃんと観ることができました。
ちょっとぼ~とした主人公、やさしい夫、あたたかく見守る家族や近所の人たちの、戦争中だけど工夫して衣食住を賄う日常がほのぼのした雰囲気で描かれていきます。わかりやすい「悪者」は出てきません。
戦局が厳しくなるにつれ、「ふつうの極み」のようなすずさんが「ふつう」でいられなくなります。そのあたりからは常時、つるつる涙が流れ落ちる感じ。特に、幼い姪と広島の孤児のエピソードは、子を持つ親にはたまらない場面でした。
でも最後には希望を感じさせる展開があり、明るく見終えることができます。
どうやら、そういう「悲痛さばかり苦しみばかりを過剰に押し付ける戦争映画ではない」「前半がほんわかとしているからこそ、後半の悲痛さや憤りが生きてくる」というところが評価されているようです。
しかしそのことをもって、あるいはこの作品だけを見て、「歴史に残る映画だ」と大絶賛するのには違和感を覚えています。