「サウンド・オブ・ミュージック」も登場 ~みんなが見つけたロシア・東欧文献紹介(5)
2017年 05月 24日
この科目に関連がありそうで、関心がもてそうな本を探す課題に取り組んでもらいました。
先日の授業では、何人かの人に口頭でクラス全体に紹介してもらいました。
授業後のカードには、紹介してもらった本を読んでみたい、というコメントがたくさん出ました。
それがまた分散するのが面白いところです。
やはりみんながみんなに情報を提供し、共有する機会を設けるのはいいですね。
ということで、そのうちからいくつかを紹介していきます。
今年の第一弾は、少し視点をずらしてみつけてくれた本です。
「先生がオーストリアも授業で取り上げておられたのでいいかなと思って」と学生君。
もちろんです。オーストリアやドイツは「東欧」には分類しませんが、切っても切れない仲です。
◇◇◇
野口祐子ほか『「サウンド・オブ・ミュージック」で学ぶ欧米文化』(世界思想社 2010)
◇どんな本ですか?
1920~30年代のオーストリアについて書かれた本。
アメリカから見たヨーロッパと、実際のヨーロッパとの差がわかる。
◇なぜこの本を選びましたか?
「サウンド・オブ・ミュージック」は好きな映画の一つなので、
舞台裏ともいえる諸事情を解説した本というのはたいへん興味深い。
映画はアメリカの制作ということで、当時の世相を反映した面もあるようだ。
◇特に紹介したいところ、興味をもったことがらは?
オーストリアについてあまり知らなかったのだが、その歴史や、ナチスとの関係について知ることで、
この映画が単なるハッピーエンドの家庭ドラマ的なものではないとわかった。
祖国愛や歴史的事実も盛り込みつつ、アメリカ的思想を植え付けようという意図も含んだ
多面的な作品だということがわかる。(以上、抜粋)
◇◇◇
「サウンド・オブ・ミュージック」、私も好きな映画です。
といっても、一度目は小さいころだったので背景がよくわからず、
まさに「家庭ドラマ」として見たような気がします。
二回目は多少歴史がわかってきていた頃だったので、そちらに関わるシーンの方が印象に残りました。
最近は、映画や文学作品から時代を知る、あるいは歴史を知って作品をよりよく理解する
という授業の比重を増やしているので、私もぜひ読んで参考にしたいと思います。