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by chekosan

ハシェク『兵士シュヴェイクの冒険』をみんなで読んだ@同志社特殊講義ロシア・東欧の政治と社会


同志社大学法学部の特殊講義「ロシア・東欧の政治と社会」、最後のシリーズは、
ヤロスラフ・ハシェクの『兵士シュヴェイクの冒険』でした。

これも太めの文庫本4冊にわたる長編。でも未完。
作者が生きていたらどんな大長編になっていたのだろう。読みたかった。

正確には、本編は3冊とちょいで、残りは短編や書簡、訳者解説なのですが、それでも長いには違いない。

風刺小説でテンポが良く、挿絵の魅力も相まって、とっても面白いのですが、
なにしろ第一世界大戦のお話なので、時代背景を知らないとけっこうチンプンカンプンだったようです。(^^;)

しかも授業は最後の2回だけしか割かなかったので、ちょっと駆け足になってしまいました。
年度を越えてもう一度読むのもいいかもと話しています。

私は20年ぶりくらいの再読でしたが、やっぱり面白かったです。シュヴェイク最高。

ものすごいテンポ感で、登場人物たちの切れ目ないおしゃべりに乗せて、
皇帝、帝国、聖職者、軍隊、警察といった権威や権力者、権力機構や、
メディア、マーケット(例えばペット産業)のいいかげんさや俗物根性を徹底的におちょくります。

さらっとブラックなユーモアも紛れ込んでいるので見逃せない。
シュヴェイクの身の回りの世話をしていたミュレロヴァーさんなんて
何もしていないのに強制収容所に連行されています。

一番面白いのは1巻なのですが、1巻は絶版なんです。ぜひぜひ復刊してほしいなあ。。。

で、この作品の一番の面白さは、主人公シュヴェイクをはじめとする登場人物が、
なになにと言えば、どこどこの誰それさんがああしてこうして、、、と
ホラなんだかどうなんだかよくわからない事例をノンストップで話すところなのですが、
土地勘がないとこれがピンとこないのです。

そこで、受講生の一人が、シュヴェイク地図を作ってくれました!

これがすごいんです! 
チェコの地名って、当時と、翻訳された時代と、そして現在では、結構変わっているんです。
それを脚注や今の地図などを確認しながら、現在の地図に書き込んでいってくれたんです。



b0066960_15031127.jpg

しかもですね、地図上のイラストも受講生の手描きなんです。スキャンして貼ったのではないんです。
ヨゼフ・ラダの挿絵を見て描いたんですって。もう、ラダの代わりに挿絵が描けるレベルです!

そして、手描きイラストは、そのシーンの舞台である場所にだいたい対応させて配置してあります。
さらに、写真には入れませんでしたが、地名一覧と初出のページは別の紙に書きだしてあります。

この地図自体が一つの作品ですよ! °˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
こういうことを自ら思いついて、楽しんで取り組めるというのは素晴らしいですね。

でも、この地図は、文庫で言うと2巻までなので、代々引き継いでシュヴェイク地図を完成させようか、
クンデラ地図も作ったら面白いかも、さらにその町が今はどうなっているかを
グーグルアースなんかで確認していくなんてのもいいかもね、などと、おおいに盛り上がりました。


この授業は、私からこうしろああしろと指示しなかったのですが、
このように、それぞれの回の報告担当者が、毎度、力作の資料を作ってきてくれました。

読むだけでも大変だったと思うのです。再読の私でもけっこうキツキツギリギリでしたから。
よくぞがんばってくれました。おかげで実に楽しい時間でした。


この科目、いったいどういう科目で、どう進めているの?と聞いていただくことが多いので、
学期を通しての授業のまとめは、また別稿で詳しく記録したいと思います。乞うご期待(?)









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by chekosan | 2017-01-26 15:27 | ロシア・東欧地域研究@同志社 | Trackback | Comments(0)