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by chekosan
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読書メーター 2016年10月のまとめ

授業のコマ数は春より少ないものの、手と気と時間をつかう案件で忙殺された10月。
新たに読んだ本は、冊数的にはさみしい結果ですが、ここ数年の関心を象徴するよう。
新しい科目も始まって、そこでは濃くて深くて広がりを持てる「読み」を楽しめています。

2016年10月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:958ページ
ナイス数:223ナイス

最後の子どもたち (写楽Books)最後の子どもたち (写楽Books)感想
早朝の通勤電車で一気に読んでクラクラした。舞台は冷戦期の西ドイツ。国際情勢が緊迫している夏、主人公家族は、核爆弾投下の被害から直後は辛くも逃れるが、すぐに地獄の日々となる。パウゼヴァングの文章は子どもでも理解できる単文で淡々と伝えるスタイルなのだが、それによってかえって事態がどんどん深刻になっていく様が迫ってくる。同じ著者の原発事故をテーマにした『みえない雲』とも共通するのは、「普通」の人々が政治家任せで無視を決め込んでいることが最悪の事態を引き起こし、子どもたちが大きな犠牲を払うという訴えである。
読了日:10月28日 著者:グードルン・パウゼヴァング


“ひとり出版社”という働きかた“ひとり出版社”という働きかた感想
「この作品を世に出したい」という具体的な思いがあって、たったひとりの出版社を立ち上げたというパターンが多い。売らんかなではなく、まず作家、まず作品ありき。さらにいえば、本という形、物体にこだわらず、いいと思うものを人に紹介したい、その人のよいところをアウトプットする手伝いをしたい、という思いが根底にある。ああそれ!そこ!と共感した。沖縄には「県産」の小さな出版社がたくさんあるというのも興味深い。沖縄は音楽もそうだし、独自の文化を豊かに生み出しているのだなあ。
読了日:10月27日 著者:西山雅子


解決!空き家問題 (ちくま新書)解決!空き家問題 (ちくま新書)感想
空き家の増加とそれに伴う問題は画一的な対策や解決策では対処できない。立地や建物の状態、持ち主の状況などによって、収益が見込めるか、公益性を追究する方がよいのか、社会性を育む場として活用するのがよいのかが変わってくる。しかし、重要なのは、とにかく問題を先送りしないこと。機を逸するとどんどん処分は困難になる。簡単に解決する問題ではないが、空き家をうまく活用している例は多い。空き家予備軍を抱える人や自治体に参考になるだろう。
読了日:10月20日 著者:中川寛子


奇跡の村 地方は「人」で再生する (集英社新書)奇跡の村 地方は「人」で再生する (集英社新書)感想
面白かったです。山間部の小さな村や町の挑戦。剛腕村長が民間企業経営で培った感覚を行政に導入してコスト削減に成功している下條村、不利と思われた土地の形状や気候を生かせる農業への転換を果たしつつある南牧村、「よそもの」を受け入れることで新しい住民やまちの「ウリ」を得た旧藤野町。持ち直してきたのでもう安泰、とはいかないでしょうし、よその自治体がこれらの自治体を真似てもうまくいくとは限らないでしょうが、いろんなヒントや刺激を与えてくれる事例です。
読了日:10月4日 著者:相川俊英


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by chekosan | 2016-11-01 13:27 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)