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by chekosan

有川浩『図書館戦争』『図書館内乱』『レインツリーの国』と、前川恒雄『移動図書館ひまわり号』

有川浩氏の作品は、学生が「おすすめの一冊」として取り上げることが多く、
イマドキの流行りを知っておこうと手に取ったのですが、
その文体の軽やかさ、読みやすさのなかに、
現代的な問題や人・地域・テーマに関する愛が実にうまく織り込まれていて、
読後感が良く、すっかり好きな作家になりました。

「図書館戦争」シリーズ第2作を読んだので、関連本のレビューをまとめて記録します。

有川浩 『図書館戦争』 (図書館戦争シリーズ1) 角川文庫 2011年
有川浩はすごい。現代的なキャラクターのセリフや地の文の言いまわしが軽めな印象を与えるが、どの作品も人や地域に対する愛が詰まっている。この作品は図書(館)や表現に対する真摯な思いに基づいて、よく調べて練り上げられている。日野市立図書館や『中小レポート』などは実在するし、それらに深く関わったある人物をイメージしたのではないかと思われるキャラクター(ちょい役)も出てくる(確証はなし)。日野市立図書館育ての親、前川恒雄氏の著作と合わせて読むことをおすすめ。 学生のおすすめの一冊より。(読了・「読書メーター」レビュー記載 2014年5月28日)


前川恒雄 『移動図書館ひまわり号』 (筑摩書房 1988年)
面白かった!! 一気に読んだ。前川氏は我らが滋賀県を図書館先進県に発展させた立役者として小さい頃から名前を知っていた。この本は前川氏が日野市立図書館長として、一台だけの移動図書館からスタートし、日本の公立図書館の改革を促す活動を展開した奮闘記。図書館と行政、市民、社会教育の関係性について書かれているが、大学教育にもあてはまるところが多く、付箋が林立した。有川浩『図書館戦争』では日野市立図書館がモデルになっているそうだから、そちらも読まねば。 (読了・読書メーターレビュー記載 2014年3月23日)


有川浩 『図書館内乱』 (図書館戦争シリーズ2) 角川文庫 2011年 
『図書館』シリーズ2作目。このシリーズは図書館や本のこと、表現の自由を考える絶好の素材だとあらためて思った。特に、図書館のことを学ぶ人は、このシリーズに出てくる様々なテーマ(例えばこの『内乱』からは焚書や少年犯罪の報道、図書館の自治をめぐる問題など)を拾って、元ネタや史実を自分で調べるといい勉強になると思う。少年犯罪の件は、我々くらいなら当然、連想する事件や出来事があるが、それも知らない世代が多いかもしれないし。もちろんお話としても面白い。安定感が出てきたか。胸きゅんシーンも微笑ましいし。続きも読むぞ♪  (読了・「読書メーター」レビュー記載 2015年1月27日)


有川浩 『レインツリーの国』 (新潮文庫 2009年)
  *この本は『図書館内乱』のスピンオフ作品です。
   『内乱』で登場人物が読んでいる本を実際に有川氏が書き下ろしたものですが、
   単独で読んでも問題ない、独立した優れた作品です。

学生のおすすめの一冊。先生もおすすめ。有川氏の作品は、楽しく気軽に読める小説という点では「ライトノベル」なのかもしれない。この作品もあっという間に読める恋愛小説ではある。が、内容的には深く、重い。この設定と内容を「軽く」読める小説に仕立てたというのがすごい。あとがきと解説も必読。 (読了・読書メーターレビュー記載 2013年8月2日)

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by chekosan | 2015-01-27 20:49 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)