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ヒトラーの馬を奪還せよ ――美術探偵、ナチ地下世界を往く (単行本 )の感想
これ、ほんと面白かった!一気読み!まるでスパイ映画のようなノンフィクション。爆撃で消滅したと思われていた巨大な馬の像が、実は70年もの間、秘密裏に保存されていて売りに出ているという情報を得た「美術界のインディ・ジョーンズ」の異名をとる著者が、その行方を追跡する。あまりに面白かったので関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=202412
読了日:02月03日 著者:アルテュール・ブラント
わたしの外国語漂流記: 未知なる言葉と格闘した25人の物語 (14歳の世渡り術)の感想
英語をどう習得したかという経験も参考になるが、聞いたことのないような言語に出会って習得した人の話が面白い。そもそもそんな言葉があるなんてとか、現地の言葉の知識がほぼ0でも、そこの人が友好的に受け入れてくれればなんとか一緒に生活できるんだなあとか。こういうのを読むと、やっぱりがむしゃらにその言語の世界に没頭すること、それもある程度の期間をもつことが肝のよう。今その時間を持つのは厳しいから、コツコツやるとしよう。
読了日:02月09日 著者:松村圭一郎,佐久間裕美子,丸山ゴンザレス
ウィキペディアでまちおこし――みんなでつくろう地域の百科事典の感想
ウィキペディアは検索でトップに出ることが多いので、地域の情報を項目立てすることで(出典をきちんと載せていれば)知られていないが貴重な情報を載せている埋もれた文献に行き着く可能性が高まる、消えゆく伝統や慣習が残せる可能性が高まる、地域おこしになる可能性がある、というのは、なるほどだった。そのためにウィキペディアに執筆する人を増やす活動を展開されている著者の熱意には感服する。実際、著者が書いた項目は質が高いと評価されているそう。とはいえ、
読了日:02月09日 著者:伊達深雪
一線の湖の感想
水墨画の世界の魅力をたっぷりと教えてくれた『線は、僕を描く』の続編。水墨画とその師匠に出会うことで心を開き、外界と関わるようになった主人公だったが、家族の死で負った深い心の傷は未だ癒えていなかった。続編は心痛むプロローグから始まり、泣かせる名場面を迎え、辛すぎる一つ目の山場を迎える。我慢を強いる中盤のあとの二つ目の山場の緊迫感ある描写がすばらしい。真摯で丁寧な表現、現実味を増した筋書きで、前作よりもさらに優れた小説になっているように思う。読後思わず、お正月から出しっ放しのお習字セットで絵を描いた(笑)
読了日:02月10日 著者:砥上 裕將
ヨーゼフ・ロート ウクライナ・ロシア紀行の感想
『ラデツキー行進曲』が面白かったロートによる見聞記。1920~28年頃に新聞に連載していたものを抜粋したもの。ソ連の最初期の雰囲気が伝わる。新しい国ソ連の可能性に期待し、評価しているような文章もあれば、早くも蔓延する検閲と表現の自由の制限に失望している文章もあって興味はつきない。が、文章によってはなかなか難しい。この時期の様子を知るのに学生と読もうかと思ったが、この本だけでは厳しいかな。それはともかく、ロートはユダヤ人でツヴァイクとも友人だったとのこと。ほかもまた読もうっと。
読了日:02月14日 著者:ヨーゼフ・ロート
平和を考える 戦争遺産図鑑 (ヘイワヲカンガエルセンソウイサンズカン)の感想
図書館の児童書室で発見した大きくて立派な写真集。たしかに子どもでも理解できる、わかりやすい言葉づかいで説明されている。国内外の戦争の遺構がたくさん掲載されている。激戦地であった太平洋の島や、日本軍が住民を虐殺した中国などで今でも出てくる人骨の写真もある。
読了日:02月17日 著者:安島 太佳由
ロシア・ノート:アンナ・ポリトコフスカヤを追っての感想
ソ連時代の大飢饉を取り上げた『ウクライナ・ノート』の著者による。本書ではチェチェン問題の実態を明らかにしようとして暗殺されたロシアのジャーナリストについて。前著よりも絵やデザインが洗練されている。が、内容は前著にもまして衝撃的。チェチェン紛争時に起こっていた民間人への暴力、略奪、拷問。そうした行為を拒否した兵士へのむごたらしい懲罰。取材を続けるポリトコフスカヤ自身への脅迫、拘禁…あまりに酷くて何度か本を閉じてしまう。残虐行為に染まって暴力が止まらなくなることをチェチェン・シンドロームというそう。
読了日:02月17日 著者:イゴルト(Igort)
アウシュヴィッツの画家の部屋の感想
アウシュヴィッツにあった「収容所美術館」と画家たちについて。小さくて薄くて字の大きな本だが、ほおおという事実や情報がいろいろ書かれている。ブログに記録。https://chekosan.exblog.jp/33692124/ 八ヶ岳山麓にあるフィリア美術館にケーテ・コルヴィッツやミェチスラフ・コシチェルニアクらの作品があるとのこと。行きたいなあ。昨夏、知っていれば、甲府に行くときに寄れたのになあ~~何かと合わせて、またいつか行こうっと。
読了日:02月19日 著者:大内田 わこ
女性が科学の扉を開くとき: 偏見と差別に対峙した六〇年 NSF(米国国立科学財団)長官を務めた科学者が語るの感想
著書は、女子が自然科学の分野に進むことすら拒まれることが多かった時代から最前線で道を拓いてきた。「人類の100%の最良の結果は50%のそれより優れている」という信念のもと、女性科学者やマイノリティのキャリア形成のためにも奔走。先入観や「常識」を打ち破ったコレラ菌の研究や、炭疽菌テロ事件の解明に携わった日々などを綴った章もエキサイティング! 関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=202420
読了日:02月27日 著者:リタ・コルウェル,シャロン・バーチュ・マグレイン